食生活と歯列

23日、スタッフとSH療法勉強会の歯科衛生士部会に参加しました。
幕張ドルフィン歯科の米山です。
私は定期的に症例検討会には参加しているのですが、今回スタッフとの参加は初めてのことです。
基調講演では、日本大学松戸歯学部の葛西教授のお話を聞くことができました。葛西教授は、ワイヤー矯正を専門としているほか、縄文人の骨格を研究テーマとしています。
縄文人の歯列は垂直に並んでいますが、現代人は顎自体が狭窄し、歯の軸も内側に傾斜しています。
この傾向は、江戸時代より始まり、特に歴代の徳川将軍の顎に顕著に見られます。つまり食生活が軟食傾向である場合、顎や歯の軸にも大きな影響を与えることを意味します。
このように後天的な環境要因によっては、歯並びに悪影響を及ぼすことがわかっています。また、咀嚼自体も垂直的なチョッピング運動ではなく、だ円を描くような臼摩運動をすることで咬筋や舌の力が活性化し、歯列にも良い影響を与えます。
良く噛めば当然唾液が促進され、水を飲まなくても食事ができますし、献立の工夫によってより硬めのものを噛む習慣があれば、咀嚼力も上がってくるでしょう。

幼稚園の児童を対象にした咀嚼ガム検査では、よく噛んでいる児童と全く噛んでいない児童の割合が半数という結果となりました。
良く噛んでいない児童は、歯列不正が見られ、また口をぽかんと開けている状態が見られました。このことからもわかるように、歯列は舌や咬筋の力によってバランスを維持しているのです。
つまり歯列不正は、低位舌や噛む力の不足の結果であり、その背景には食生活の軟食化が影響しているのです。
縄文人のように肉食や硬い種のみとはいいませんが、食生活の工夫さえしっかりすれば矯正の出番は少なくなっていくと考えます。

与えるだけで
受け取らなければ
エネルギーは回らない
だから
苦しくなっていく
受け取るものは
モノやお金とは限らない
喜び 感動 幸せな気持ち
しっかり受け取るべし
坂本龍馬