矯正のモチベーション

先日、矯正患者さんの模型の整理を行いました。幕張ドルフィン歯科の米山です。
私は、2001年に幕張ドルフィン歯科を開業して以来、取外し式の矯正を臨床に取り入れています。当初は、元日本歯科大学小児矯正学教授であった荻原先生の勉強会に参加していました。
荻原先生の取外し式の矯正装置は、ステージごとに装置の使用目的がありました。最初のステージは、歯の土台を側方に広げていくのみの設計となっています。その後、前歯の修正装置、最終段階では保定装置へと移行していくものでした。
2009年より星岡先生の勉強会に参加し、装置もスライッデクスという荻原式とは、異なる装置になりました。このスライッデクスは、側方拡大と同時に前歯の修正も行う画期的なものでした。
今ではすべての患者に、この星岡式装置で矯正を行っています。ただ、取外し式の装置の欠点としては、装置装着は患者自身が行っていくものなので、残念ながら1割の方が、何らかの理由で辞められてしまいます。
9割の方は現在治療中、もしくは治療が終了しています。辞められる理由としては、親がやる気になっていても、治療を行うはずのお子さんがそもそもやる気がなかったケースです。

模型を整理していると、辞められたお子さんの模型が多いことに気づきました。さらに言えば、星岡式よりも荻原式の装置の脱落者が多いことにも気づきました。これは、スライデックスのように前歯も同時に修正する装置であれば、前歯がよくなっていくことが、よくわかるためにモチベーションが継続していると考えられます。
取外し式の装置は、歯の土台を広げていくことで、奥歯を噛みやすい位置に戻していく事が可能です。ただ患者さんにとっては、一番気になる前歯を治すことが大切なので、そこが抜けてしまうとモチベーションも低下してしまうのでしょう。
現在臨床で行っている星岡式の脱落者が少なくなっている要因は、そこにあると思われます。