歯列不正の時代

今お子さんのお口の中を見ても、虫歯だらけといったお子さんは、まったくいません。

大人でも虫歯を治した詰め物やかぶせ物はたくさんあっても、大きな治療をされる必要性のある方は、以前よりも減っているように思います。

もちろん地域性はありますが、少なくとも私の医院のある千葉の幕張では、そういう傾向にあります。

私は、昭和39年生まれの現在56歳です。(令和2年6月)

え!見えない?30歳かと思った?いやあうれしいですねえ。

いつも年相応には見られないんですよ!え?聞いてない?

あーそう。気を取り直して!

私の小学生時代は、どの友達も虫歯だらけで、虫歯のない子供は、区で表彰されていたくらいです。うらやましいというか、珍しいというか。

私はといえば、お恥ずかしい話ですが、しょっちゅう虫歯を作っては、小児歯科で有名な四谷にある落合先生の医院へ行っていました。

当時は、親からのしつけとして(そんな悪さしていると歯医者に連れていくよ!)うあーん。

歯医者さんは怖いところ、といった恐怖心を植え付けられたものでした。

当時の歯医者さんは、痛い、待たされる、汚いという負の三拍子がそろったところでした。

私もご多分に漏れず、、行くのが嫌で嫌でしょうがなかったことを思い出します。

しかし、一つだけ行く勇気が出せたことは、母が本をいつも買ってくれたことです。

落合歯科は2階にあり、本屋がそのビルの1階にありました。

それだけがモチベーションになっていましたね。

この昭和30年代は、虫歯の洪水といわれていました。

洪水!怖い、台風も最近ほんとに怖い。

さて、令和となった今は、どんな時代でしょうか?

うすうす感づかれている方もいらっしゃるかと思いますが、そうです。

虫歯が減ったかわりに歯並びが悪いお子さんが、圧倒的に増えた歯列不正の洪水時代へと突入しているのです。

それと同時にアレルギー疾患も昭和80年ごろから増えてきました。

そう、花粉症の発症が、私は当時中学生でしたので、そのころから食事アレルギーとともに増えてきています。

様々な要因がありますが、私は口呼吸との関係が深いとみています。

そうです、思い出していただきたいのが口での呼吸は、直接ウイルスやアレルゲンを肺に送り込む病気にさせてしまう呼吸です。

さらに口腔機能の低下による口呼吸と歯列不正は密接につながっていることと、ずばりリンクするのですね。

恐ろしいですね。