アナログの価値

私は中学のころ、カラヤンを聴きに行きました。
幕張ドルフィン歯科の米山です。
クラシックファンでなくてもヘルベルトフォンカラヤンの名を聞いたことはあるでしょう。カラヤン率いる世界最高峰のオーケストラであるベルリンフィルは、いまだにウイーンフィルと1,2を争う実力があります。
当時の私は、毎月のようにLPレコードを秋葉原まで買いに行ったものです。同じクラシックファンの友人にカラヤンを誘われたのですが、そのチケット代が1万円と聞き、腰を抜かさんばかりでした。

中坊なのでアルバイトもしていないため、親に土下座しお小遣いを前借して、友人と恐る恐るコンサート会場に入りました。
周りは大人ばかりで、中坊の私たちをじろじろ見ていたのを今でも覚えています。楽曲は、シューベルトの未完成とリヒャルトシュトラウスのツアラトウストラでした。
ツアラトウストラは、スタンリーキューブリック監督の2001年宇宙の旅という映画の音楽として有名なのでご存知ではないでしょうか?
この映画では、AIが人間を凌駕しようとする鬼気迫るものでしたが、果たしてそのようなことが現実に起きてしまうことが、一方では危惧されています。
時代はLPからCDへと移り変わっていますが、今でもコアなファンは、LPを手に入れようと躍起になっています。
私は最近ジャズにもはまっていますが、ジャズのコアなファンも、やはりLPだそうです。AIによって生活が豊かになる一方で、アナログや芸術に美意識を残す限り、人としての存在意義はあるでしょうし、それこそ心の豊かさにつながると信じています。
取外し式の矯正患者の学生さんたちも、若いころから音楽や絵画、スポーツに情熱を捧げている姿に心打たれます。

凡人は
複雑なほど
値打ちがあると思う
しかし賢人は
シンプルなほど
値打ちがあると知っている
坂本龍馬